ドローンの墜落原因

ドローンで墜落は、避けられません。
一番の墜落原因は、飛行場所のオリエンテーション不足からの、人為的ミスです。
以下のすべても、不十分な飛行地域のオリエンテーション不足に起因する人為的ミスに含まれます。

  1. ドローンと操縦者の位置関係によるコネクションロスト
  2. GNSSの精度が下がる場所、時間
  3. 送電線など、架線への接触

架線との衝突

電話線などは15mの電柱に敷設されているため、比較的地面に近いので気づきやすいですが、今回は、なかなか見えない、送電線の接触について考えてみましょう。

送電線は、実は裸線

驚くべきことに、送電線は、絶縁被膜がありません。日本で多く使われている送電線は、ACSR 電線と呼ばれるもので、鋼線をベースにしたアルミ捩り線を使っています。

その理由は、銅は、重いし、引っ張り強度に弱いため、自重であまり長い距離には耐えられないためです。重さにシビアな電線に、絶縁被覆をかぶせても、結局高圧送電線に触れると感電は避けられないので、合理的な判断なのでしょう。送電線が軽くなると、送電塔の間隔が広くなり、送電システムのコストも抑えることができます。

裸の送電線は、くすんだアルミ色をしている為に、背景に溶け込みきわめて視認性が悪くなります。また、ドローンのFPVカメラで撮られた映像は、解像度が低いのでより視認性は低くなります。

送電線が周りに及ぼす効果

電力会社の定める対人向けの安全離隔は、50万ボルトで11mとされています。たとえ、全身絶縁体で保護したとしても、適切なアースをしなければ、それ以内に入ると感電する可能性があるということです。

当然電線の周りには、強力な電磁波が発生しているので、操縦者とのコネクションロスが発生するリスクもあります。

電磁波なので、当然磁力も発生します。新幹線で移動すると、機体のコンパスキャリブレーションが再度、必要な場合がありますよね。


また、電線上ではいたるところで、常時、コロナ放電が発生しています。コロナ放電が発生するたびに、紫外線バーストと、電磁ノイズが発生しているということです。

送電線は、消費地から遠くにあることがほとんどなので、その多くの電力を送電ロスとして、失っています。多くは、熱となって大気中に放散されています。

IRカメラで見ると、送電線が発熱しているのがわかる。2012年カナダにて撮影

山の中や河原で飛ばす場合は、送電塔の間隔が広くて、飛行前に、送電線に全く気付かない場合もあります。

先入観の問題ですが、送電線には、被膜が無いので、アルミのくすんだ灰色、つまり全く見えないという意識が必要です。

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