FDMプリンターノズルの新しいトレンド

多くのFDMユーザーはノズルを変えない。

prusaのwebsiteより抜粋

上記の記事に書いてあるように、目的の造形物に応じて、ノズル径を変えるユーザーはユーザーの約20%しかいません。

私の考える理由は以下の三つです。

  1. ノズルを変える際にプリンター本体が損傷するリスクが高い
  2. ノズルを変えても、プリセットのないノズル径にした場合、独自にスライサーのパラメーターを調整して、まともな出力結果を得るためには時間がかかる
  3. ノズル交換に技術的慣れが必要で、不慣れな場合は火傷等けがをするリスクが高い

しかし、以上のことを考慮しても、ノズル径を変えて印刷することは、メリットもあります。例えば、0.1mmのオリフィスを持つノズルでは、SLAプリンターに匹敵するより微細な造形が可能になりますし、0.6mmや0.8mmオリフィスを持つノズルでは、出力は粗くなりますが、造形スピードの高速化が期待できます。ただし、大口径オリフィスノズルは、素材のハイフロー供給も工夫する必要があります。

安価なプリンターでは、目的に応じてノズル径を変えて複数のプリンターで対応させるというアイディアも現実的です。

E3Dの新たな試み

そんな中、イギリスのE3Dが新たなノズルとその周辺機器をラインナップしました。常温で特別な工具なしで簡単にオリフィス径の異なるノズルに交換することができます。この新しい試みによって、今までノズルを交換したことがない80%の人たちが、ノズルを目的に応じて交換して使用するようになるのでしょうか?

実は、私はノズルの交換はしません。ヒートブロックとヒートブレイクの適切な組付けができなかった場合、溶けた素材が漏れ出し、大変な事態になるのが、嫌だからです。私の様な懸念をもってFDMプリンターを使用している人こそが、もしかするとE3DのRevoシリーズの、ポテンシャルカスタマーなのかもしれませんね。

性能や造形クオリティ

このノズルの一番の野心的技術は、ノズルを取り巻く、ヒーターカートリッジです。これは、温度測定サーミスタとヒーターがノズルを取り巻くように配置された一体部品で、この部品によってサーミスタの断線などの交換に伴うリスクが大きく減ることや直接的にノズルに加熱するための効率の良さときめ細かい温度コントロールが可能になりました。

ヒーターとノズルの熱伝達の良さから、従来のシステムよりもフローレートが高いことを期待しましたが、ヒーターの能力から実用温度は300℃程度のようです。このことから、より実用的な強度を持つ素材の造形はあまり期待できず、従来と同等の性能であることがわかりました。また、大きなオリフィスでの高速印刷も、従来の製品から劇的に飛躍した性能は望めません。

結論

以上のことから、私はE3Dが提案する新しいノズルエコシステムへのアップデートは行わないこととしました。

E3DREVOについて(E3Dへのリンク

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