米陸軍、3Dプリンタ用フィラメントを開発

“US ARMY(以下 米国陸軍)は、一般的なデスクトップタイプFFF方式3Dプリンタで使用できる新しいマルチポリマーフィラメントを開発。この新しいフィラメントに使用される材料は、軍レベルで使用可能な、高強度で高性能な部品を生産する能力を有している。”

https://idarts.co.jp/3dp/us-army-multi-polymer-filament/

ポスト・コロナ

今回の世界的な疫病の流行で、にわかに存在感をあげているものの一つが、3Dプリンターだろう。もはや、行き過ぎた趣味人の過剰投資ではなく、実は案外普通に普及していることが分かった。この製造能力は、もはや無視できるものではなく、需要のある場所で、必要に応じて製品が出力できるポテンシャルは、今までの産業にない大きなポテンシャルだ。

今回多くの人が体験したように、日々を支える物流や、あらゆる些細なサービスも、大変脆く崩壊してしまう。そこで、需要のある場所で、造形物を印刷する、ダイレクト・デジタル・マニュファクチャリング(DDM)技術が、誰もが注目するところになったのだ。

3Dプリンターの問題点・時間

先ず一つは、造形物の印刷時間が長い。という問題があった。しかし。一つの部品に9時間かかるのは、実用性が無いのだろうか?この問題に明確に答えを出したのも、今回のコロナ禍であった。3Dプリンターが、これだけ安くなった今、プリンターの数を単純に増やせば、生産能力は簡単に上げられる。1台1000万円の工業用プリンターも価値があるが、10万円のプリンター100台あると、たとえ、1つの造形に9時間かかろうが、9時間で100個の造形物が出来上がる能力は、侮れない

3Dプリンターの問題点・素材

今回の記事のように、従来の工業用プラスチックと同等か、それ以上の機械的特性を持つフィラメントの登場によりどんな場所でも、家庭用の3Dプリンターがあれば、必要なパーツを調達できるようになった。高価で、重厚長大の象徴の様な、金属金型が必要なくなり、データーから直接最終プロダクトを取得することができる。また、素材は、フィラメントとして持っていれば、何にでもなることができるので、無駄な在庫を持つことも、輸送機で、わざわざ運んでくる必要もない。

アメリカ陸軍の取り組み

アメリカ陸軍は、既に正式ピストルを、全プラスチック製の「P320 M18」というものに、順次更新している。

このピストルは、コアパーツだけ精密金属加工の必要な工場で生産し、その他の部品は、銃身から本体そのものまで、交換可能になっており、特にコアパーツと銃身以外の部品は、銃の本体を含む大部分を現地で生産したパーツが使えるようになっている。 

戦場の前線で、ピストルの部品が、必要に応じて作れる、ダイレクト・デジタル・マニュファクチャリングの一つの実例となっている。

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