シネマ用カメラスタビタイザー

最近NetFlixなどで、ドイツの作品多いですよね。アメリカは、アクターズユニオンの制約が厳しくなりすぎて、ドイツで撮影されている番組が増えているようです。

私のドイツの友人が、最近のそのような要望にこたえるべく、産業用の、カメラスタビライザーを制作しました。

完全に、業務用の、スタビライザーですが、それだけのスペックが必要な需要に対して、フルスクラッチ制作です。

使用するカメラや、レンズの重さに対してゼロから設計していますが、5㎏のカメラまで懸架可能です。

クルマは、想像以上に振動が多く、また、その周期も細かいものから長いものまであり、数種類のダンパーを使い分けています。

すべての素材は、CADデータに基づきミーリングマシーンで切削していきます。

カメラジンバルとスタビライザーを接続するマウントは、ワイヤーダンパーによって細かい振動を吸収します。

カメラはREDのシネマ用ビデオカメラを使用し、カメラの操作は、後部座席よりフルリモートコントロールで行います。

カメラスタビライザーを車に固定するために、車体の前後のモノコックボデイのハードポイント(バンパーの取り付け部位など、構造的に強固な部位)をケージで接続し、そこにカメラスタビライザーを懸架します。
この改造をすると、ドイツでは、特殊作業車としての登録をしないと公道を走れないそうです。

車速は、0kmhから80kmhまでで、最適なカメラスタビライジングを行います。

カメラスタビライザーを懸架したVW UP 

動作試験で、機能を確認します。

結構振幅の大きい揺れがある

シネマカメラで撮影しているためにアスペクトレシオが2.35:1になっていますが、この滑らかさはいかがでしょう。

実際に撮影したVideoFootage。撮影車の映り込みがあるのがわかる

ここで問題が発生しました。被写体に撮影車が移り込んでしまうのです。そこで車全体に、アンチグレアラッピングを施しました。

その効果が、どれほどの物か、映り込みテストを行います。

クルマの反射がほとんど見えなくなった

結果的に、走行撮影中に被写体に45cmまで接近することが可能となりました。

3軸ジンバル

は、使用のカメラシステムに合わせて、選択ください。例えば

など。

スタビライザーと3軸ジンバルのカップリングは、その都度設計します。

ベルリンの、近郊のポツダム(ポツダム宣言で有名)では、既に、映像産業が成長産業になっており、このカメラスタビライザーも、NetFlixやコマーシャル撮影などで利用されています。

この様なスタビライザーは、フルオーダーなのですが、3DCADデザインされており、ペイロードの重さなどには柔軟に対応できるうえ、CAMによる自動切削でパーツ製造を行っているため、ある程度の量産も可能です。

映画や、コマーシャルなどで最高品質の産業用ビデオフッテージを作る必要のある方は、ご連絡をいただければご紹介が可能です。お問い合わせは、こちらから。

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