TPU素材

これほど、FPV機、ドローンに最適な素材はあっただろうか。耐衝撃性に優れ、弾力性を備え、石油精製品への耐性に優れている。

ポリウレタンは、そもそも、ドイツで、天然ゴムの代用として開発され、大量に生産、使用されたが、戦後、その素材としてのポテンシャルに目を付けたアメリカのデュポン社が、素材開発を続け今に至っている。

ポリウレタンの特徴に熱可塑性を持たせたのが、TPUだ。TPUとは、熱可塑性ポリウレタン(Thermoplastic Polyurethane)のことで、3Dプリンターで、自由に成型することができて、私としては一気に身近に感じる素材となった。

結構、昔から使われているようで、今回調べてみると、つい最近までは、脇役の素材として一般に使われていたようだ。そう、amazonの段ボールに、小さな商品を固定している、あのグルーガンだ。また、スマートフォンケースの素材としてもおなじみだが、東南アジアでは、靴の素材としての活用が増えているという。

まさか、あのamazonの忌々しい、荷造りホットーグルーが、TPUの一族だったとわ。しかし、すぐに自然環境に戻る特性を考えれば、適切だ。

TPUを使ったFDM型3Dプリンターの造形は、はっきり言って、難しい。温度設定や、フィラメントの管理、エクストルーダーへの供給など。しかし、ドローンの部品は、造形済みのものが商品として入手できる。

TPUの部品ができるまでは、ドローンの振動でカメラがローリングシャッターを起こすため、カメラに振動が伝わらないように、フロートマウントを介したり、すぐに壊れるのに天井や壁には強力な攻撃性を持つキャノピー等、今や、柔らかく、耐久性の高いTPU製がメインストリームとなった。

5インチ機では、Gopro マウントが、すっかりTPU製ばかりになった。自分の好みに合わせて、カメラの迎角を調整して印刷できるからだろう。

また、シネフープなどでも、剥きgoproのケース兼マウントとしてのTPU素材は欠かせない。じわじわと、普及している家庭用3Dプリンターに、最近は、STLファイルをインターネットで共有できることで、自分で0から、3DCADデータを作らなくても、必要な場所で印刷できることに、大きな意味が見出されている。

デメリット

ただ一つ、デメリットをあげるとすれば、加水分解による劣化と、紫外線や熱、微生物により徐々に分解していくため、目論見通りの機械的特性を保てるのは2~3年ほどであるとされていることですね。

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