Betaflightでは、機体から転送された映像を基に操縦することで、飛行を楽しむことを専らの目的としているので、機体の高度は、あまり重要なパラメーターではない。そのために、気圧高度計もGPSも、必ずしも搭載されていない。
GPSの高さ精度
GPSは、地表のX/Y方向の測位精度は、ある程度信頼のおける、値が取得できるが、Z軸、つまり高さの精度は、十分な精度ではない。水平方向で、2-3mの誤差は、実害がないが、FPVなどのドローンは、飛行高度が低いので、2-3mの誤差はすなわち、地表との衝突を意味するので、精度が全く足りないのだ。
気圧高度計
気圧高度計は、FCに搭載されている場合もあり、大まかな高度を知るには十分である。特にドローンなどの無人航空機は、法的にも150m以下しか飛行することができないので、普通の飛行を行っている限りは、最も大気密度の濃い地表を飛ぶので、特に、温度、湿度などによる空気密度の補正を行わなくとも、実用で信頼できる値を用いることができる。ただし、気圧高度計だけを使って、着陸するには、問題があった。
機体が、地面から上昇する場合、気圧高度計は、きわめて正確に、高度測位をするが、高空、例えば高度100mから着陸しようとした場合、地面に近づくにつれ、その精度が、信用できなくなるのだ。
オペレーターのモニターでは、高度0mになっているはずが、高度5m付近で、ホバリング状態になっている場合があるのだ。離陸した時と、気圧が変わっているのかもしれないし、機体自らのプロップウオッシュで、気圧が高い状態になっているかもしれない。
UASの場合
FPVのように、飛行そのものを遊興として楽しむ目的ではなく、産業用の偵察や測量、重量の重い、UAS(Unmanned aircraft systems)では、自動離陸、自動着陸能力が必要なため、早い段階から、より近い距離の測距デバイスを実装していた。最も古いのが、超音波ソナーだ。
超音波ソナー
Ardupilotや、inavなどのファームウェア、DJIの機体では、早くからサポートしており、実用的な、最もコストのかからない、近接測距デバイスだ。
しかし、冬の、新雪が積もった地面は、音波を吸収してしまうため、測距が不可能になることや、超音波を発生するトランスデューサーが凍結して、機能しなくなることもあった。トランスデューサーの小型化が進まないので、センサーデバイスとしてスマートではない。
LIDAR センサー
最近、ワンチップ化されたセンサーが、安価で出回り始め、Ardupilotやinavでもサポートされ始めたことで、急速に一般化。消費電力が少なく、システムとしての信頼性、精度も高く、オプティカルフローセンサーと組み合わせて、環境に左右されることなく、近接距離測距を正確に行うことができる。