モーターのメンテナンス

ボールベアリング

ドローンでのボールベアリングは、モーター1基について2つ使われています。
モーターに使われているベアリングは、シールドベアリングで、製造時に、必要十分なグリスが、封入されています。

実際に、ベアリングのローラーボールが、見えないのは、この潤滑グリスが飛散しないように、両面をシールドしているためです。ベアリングについて、メンテナンスは、必要ありません。

粘度の低いさらさらなオイルを、シリンジなどを使って注油すると、本来、製造時に封入されていたグリスが、流れ落ちてしまう可能性があり、逆に寿命を短くする恐れがあります。

水没などの為、ボールベアリングに、KURE5-56などの潤滑剤を塗布したい気持ちは、よくわかりますが、日本では、ボールベアリングの入手性が世界一高いので、もし、水没した場合で、ベアリングの機能が、落ちた場合は、新品に交換することを、お勧めします。

モーターの異音

モーターの異音がして、ハウジングに大きな傷が無い場合は、鉄粉がアウターベルの永久磁石に溜まっている可能性があります。この場合は、モーターのEリングを外して、アウターベルを取り外し、鉄粉取り粘土を使って鉄粉を取り除きます。

鉄粉取り粘土は、カー用品店の洗車コーナーで入手可能です。

5inchモーター

5インチモーターでは、Eリングではなく、スクリューで、アウターベルを固定している物もあります。このスクリューは、ロックタイトなどで、緩まないように接着されています。

嫌気性のネジロック剤(空気が遮断されると固まるタイプ)は、大変強力なので、外れない場合があります。その場合は、半田ごてを使って、スクリューを温め、ネジロック剤を焼き切ると、外すことができます。

モーターが起動しない

モーターが、回転する前に、小刻みに震えて、起動に至らない場合は、まず別のESCに繋ぎ変えてみます。それでも、同じ症状の場合は、3系統のコイルのうち、どれかが、断線や、絶縁不良を起こしている可能性があります。この場合は、残念ながら、モーターを買い替えましょう。

モーターの回転方向

ブラシレスDCモーターは、ブラシドモーターのように、構造的にモーターの回転方向が決まっているわけではありません。しいて上げると、シャフトに切ってあるネジ山の切り方だけです。

モーターのローテーション

PIDによっては、前側で使ったモーターよりも後ろ側で使ったモーターの方が、発熱の傾向があります。永久磁石は、熱によって磁力が落ちるので、自動車のタイヤローテーションのように前後を入れ替えることで、長く使うことができるでしょう。

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